「絶メシリスト柳川」発足から5年。
あの絶品グルメの「今、どげん?」を
店主のみなさんにお聞きしました!

近況レポート!!前編

「食われんごっなったっちゃ知らんば〜い!」。そんな合言葉とともに「絶メシリスト柳川」が立ち上がったのは、2018年のこと。絶メシ第1号店は約200年続く老舗中の老舗、レストラン辰己屋でした。あれから5年、リストに店名を連ねているのは全19店です。変わらず元気に営業中の店、惜しまれながらも閉店した店、若い世代が継承した店とそれぞれの今、それぞれの現在地があります。今回は「絶メシリスト柳川」をおさらいしながら、店主たちに突撃インタビュー。ナマの声をかけ足で紹介しつつ、柳川の絶品グルメ、ずっと絶やさんば〜い!の想いを新たにします!

No.01

レストラン辰己屋

2026年の創業200周年が目前にせまる!

創業は江戸時代という「レストラン辰己屋。宿泊施設も兼ねたうどん屋・仕出し料理店からスタートし、食堂や甘味処と時代ごとに店の形態を変えつつ、1973年(昭和48年)に洋食+ちゃんぽんや丼ものという今のかたちに落ち着きました。いわば地元・柳川生まれのファミレスですね。

柳川市内で一番早くちゃんぽんをメニューに加えたのもここ辰己屋。先々代の大将が長崎まで出向いて作り方を学び、100年近くも前からメニューに載せたとか。スープは自家製、麺は特注、洋食が得意な辰己屋らしく、ミックスベジタブル入りなのもたまりません。

「絶メシリストに載ってから、うちの歴史を知ってもらえたのがうれしいね〜。2026年で200周年ですから」とは七代目店主の東 信介さん。その影響もあったのか、全国的に飲食業界の人手不足がニュースになるなか、パートさん、アルバイトさんの応募も増えたそうです。

七代目はまだまだお若くお元気なのですが「後継者がおってくれたらなあ」とおっしゃいます。今、柳川ですくすく成長中のちびっこたちが適齢期でしょうか!? おーい、だれか! 小学校の卒業文集の将来の夢に「辰己屋の八代目」って書いとってくれんね?

No.02

仔馬【閉店】

さみしいけれど、お母さんの笑顔、フォーエバー

壁一面に貼られた「肉肉肉大大大」「肉肉」などの謎メニューに「絶メシリスト」スタッフが悶絶したお好み焼き店「仔馬」。惜しまれながら閉店しましたが、店を切り盛りしていたお母さん、田中いつ子さんのキュートな笑顔は記事の中でご健在です。またいつか四刀流の焼き返し炸裂!!を見せていただきたいなあ。

No.03

なじみ

裏メニュー・キカイダー丼が表の舞台でも躍動!

初代店主・深町博信さんが揚げる絶品天ぷら。その味のとりこになった常連客が80%超えの店「なじみ」。

「絶メシリスト」掲載後は、二代目・一臣さん考案のバズり丼「キカイダー丼(牛丼とカツ丼の相盛り)」の人気もヒートアップしたそう。「最近、キカイダー丼の注文が多かとです。カツ丼、牛丼の単品より出るごとなっとるもん。柳川で川下りをした後はキカイがあれば、なじみのキカイダー丼をお召し上がりください!」と舌好調!

ちなみに、牛丼の材料の牛肉は一臣さん奥様のご実家が手がける伊万里牛。かなり贅沢なお味でした。

No.04

喰切料理 きよもと【閉店】

閉店後、喫茶店として受け継がれています

通称“柳川の魯山人”こと、下川清義さんが営まれていた「喰切料理 きよもと」。2022年、下川さんが古美術のお仕事に専念されることになり、その暖簾を下ろされました。ツタがからまる何とも言えない雰囲気の空間は「喫茶アカシア」に引き継がれ、メニューも新たに営業されているとのこと。ぜひこちらにもご来店を!

No.05

幸楽

ますます人気、柳川の絶品ちゃんぽんここにあり!

「絶メシリスト」のポスターでセンターポジションを務めてくださった二代目店主の古賀正孝さん。お久しぶりに絶メシ調査隊がお会いしてきましたので、その様子はコチラからどうぞ! いやあ相変わらず元気、相変わらず美味しかったです。

No.07

喜よし食堂

どうなるか分からんけど、まだまだ続くっよ

鰻料理専門店が集まる沖端地区で、ちゃんぽん・うどんのお品書きを掲げる貴重な存在「喜よし食堂」。地元・柳川の日常の胃袋を満たしてくれる食堂です。ご主人の古賀穂弦(ほづる)さんに聞くと「絶メシリストに載ってから『修行させてくれ』という電話があったとよ。そういう店じゃなかってお断りしたけどねえ」と苦笑い。TVの取材も来たそうで「いつまで続けるかは分からんけど、みやま市でお店をしている娘もおるしね。元気なうちは今まで通り、やりよくよ」。穂弦さんの実母、90代のトセ子さんもまだまだ現役です。

No.08

ゴンシャン【事業継承】

事業継承で雰囲気そのまま受け継がれています

柳川の方言で「お嬢さん」という意味の名を持つ純喫茶「ゴンシャン」。そのマスターは北島敏秋さんから、児島聡さんに受け継がれ、現在は「classic珈琲ゴンシャン」として営業されています。
コーヒーを淹れるのは変わらずサイフォンで。スマホをoffにして過ごしたいクラシックな空間もそのまま受け継がれています。

新しい一歩を踏み出したclassic珈琲ゴンシャンの記事はこちらから

No.09

まよい焼き でんちゃん【事業継承】

柳川のソウルフード、味わいそのまま新世代へ

目玉焼き、ハンバーグ、チリポテトなどおかず系の具で大人気だった「まよい焼き でんちゃん」。2022年、女将・髙﨑貴美代さんは第一線を退かれましたが、その製法・味わいは「tanabata bakery cafe」の石橋隆也さんがしっかりと継承。貴美代さん直伝の絶品ソウルフードを絶やすことなく守っています。

味も名前もまるっと継承したtanabata bakery cafeの記事はこちらから

No.10

古賀てんぷら屋

手作りまる天1日1000枚、今日もどんどん揚げよります

早朝4時から仕込みをはじめる「古賀てんぷら屋」。一度に20枚、多ければ400枚まとめ買いする方もおられるその味はもちろん健在! 店主・古賀巨人さんに絶メシ調査隊がお会いしてきましたので、その様子はコチラからどうぞ!

No.11

加藤商店

店内に絶品串だんごを食べられるスペース誕生

母・加藤春代さんと息子の正也の母子でつくる「柳川だんご」が絶品の「加藤商店」。最近はテレビの取材が増えるなどして、だんご目当ての観光客もたくさん訪れてくれるようになったそう。「前からお茶は出していたけれどね、もっとゆっくり食べてもらえるような場所を店内につくりましたよ」。母子のタッグから生まれるだんご愛はますます熱くなっています。

No.12

大津屋

海外からのお客さんも増え、洋式トイレにリフォーム!

海苔づくりで忙しく、食事をつくる暇も惜しい地元・柳川の人々の胃袋を支えてきた「大津屋」。大将の大津政行さんに聞くと「インターネットでweb記事ば見たとやろかね? 外国人のお客さんもちらほら来よらすけん、トイレを洋式に変えたんよ」。そんな変化はありつつも、50種類以上の食堂メニューは見事にそのまま。店の横の畑では今日もすくすく、麺類に刻み込むネギが育っています。

No.13

かねこ屋

唐揚げ、ヒレカツ、コロッケを買わずに柳川から帰れまい

秘伝のタレにくぐらせる白い唐揚げ、特製スパイスをかけたヒレカツ、手切り玉ねぎが甘〜いコロッケ。「かねこ屋」名物のお惣菜はどれも3代目店主・金子昭子さんのアイデアと研究の成果がたっぷり。「絶メシリストのポスターに載ったんやけど、それを駅で見た方が『懐かしかぁ!』って立ち寄ってくれることがありますよ。昔、学生さんだった方もいてね、うれしかねぇ。昭子さんが守る、昔からそのままの味。まずは食べてみてください!

No.14

肉の伊藤

沖端地区で半世紀もの歴史をつむぐ精肉店

手羽先の唐揚げやタレ焼きカルビ、コロッケ、とんかつ、串カツと精肉店ならではのお惣菜がめじろおしの「肉の伊藤)」。二代目店主の伊藤龍児さんが寡黙に揚げ物を揚げる背中に、絶メシ調査隊一同がシビレたのも記憶に新しいお店です。「絶メシ効果?どげんでしょうか。ユーチューバーにも取り上げられよるけん、分からんねえ」。それはいい! 肉の伊藤のお惣菜、久しぶりに食べたくなったらまずは動画を拝見します!!

No.15

ランヴィエール勝島

秘伝の生姜焼きの味はしっかりと引き継いでいます

ランヴィエール勝島」には鰻や婚礼料理もある一方、かつて伝習館高校の近くにあった「中華 大門」の生姜焼きが名物料理となっていました。なぜなら「中華 大門」で腕をふるっていた内山田善五さんが再就職されて、その味を求めた人々が集まったからです。しかし昨年(2023年)、残念なことに内山田さんは亡くなられてしまいました。「ただ内山田さんの生姜焼きの味はしっかりと引き継がれていますので、どうかご安心を!!」とオーナーの荻島 博さん。以前取材にうかがった時、生姜焼きのタレは門外不出の秘伝だとお聞きしましたが、後世に伝えてくださったんですね。この味を絶やさずにいてくださり、本当にうれしいです。内山田さん、感謝とともに合掌させてくださいませ。

No.16

七福ラーメン

創業50余年。しっかりコクのある呼び戻し豚骨スープ

絶メシの取材をとても喜んでくれた「七福ラーメン」の2代目中島憲治さん。空手道場の館長さんも務めていらっしゃいます。ラーメンは初代が久留米で修行されたこともあり、ふたつの羽釜(はがま)を使った呼び戻しのスープが評判。最初から紅生姜が乗っているのは出前が中心だった時代の名残。柳川は食堂もラーメン屋さんも出前が盛んなエリアなのです。

No.17

廣松宝来堂

兄と妹でつくる“割り”の効いたお菓子とは

5人兄弟の4番目に生まれた廣松澄人さんと末っ子の祥子さんが2代目としてお店を切り盛りする「廣松宝来堂」。絶メシ調査隊の取材後、新しいお菓子「もえもえ」を開発されたと聞き、再度お店にうかがいました。明るくておしゃべり上手なおふたり。その近況はコチラ(リンク:第二弾記事)からどうぞ!

絶メシ店をご利用の皆さまへ

絶メシ店によっては、日によって営業時間が前後したり、定休日以外もお休みしたりすることもございます。
そんな時でも温かく見守っていただき、また別の機会に足をお運びいただけますと幸いです。