【盛り付けにも手抜きなし　創作料理で非日常を味わう】

　お店は、市街地から離れた場所にあります。「お店に入る道がわかりにくいので、お客さまにとっては隠れ家のような存在と言われています」。笑顔で語るご主人は、16歳から飲食の道に入った意欲的な料理人。その時から「30歳までに自分のお店を持つ」との志を持ち、夢を実現したのが現在の居酒屋です。令和元年、建築家と相談しながら建てたこちらのお店は、厨房も客席も考え抜かれています。年配の方には、テーブル席や足が伸ばせる掘りごたつ式のお席を。小さなお子さま連れの方には、平床式の座敷形式のお席で、おもちゃも備えた空間を。店内には段差もないので安心です。そのせいか、お客さまは会社員や家族連れ、若い方、さまざまな年齢層の方がいらっしゃいます。

　居酒屋という枠にとらわれることなく、メイン料理を定めずに「旬の素材を使って、その季節、この日にしか作れない料理を出すことを心がけています。自分の料理を通じて非日常を味わってもらいたい」と語る店長さん。料理名も「旬！もちもち蓮根まんじゅうの旨だしあんかけ」など、独特のネーミングセンスが光ります。一方で、お客さまの9割が「お刺身」を注文されるというのも、和食から創作料理まで垣根を超えた、店長の料理の守備範囲の広さを物語ります。

　店名にatelier（アトリエ）とあるのは、「お皿をキャンバスに見立てています。ただ載せる料理ではなく、見た目も命。一期一会の絵を描くようなつもりで盛り付け、決して手を抜かない！と自分への戒めの意味もあり、名付けました」とのこと。小さな美術館のようなお店にふさわしい、若い意欲的な店長さんとスタッフの笑顔が素敵なお店でした。

コース料理、飲み放題メニュー有